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最近 [一色ウエンズデイ]


手帳にシネマって書き込まれるのが増えてきた。

さてそろそろ第3章の足音が?

って、本当なのか。

ま、せっかくこうしてブログも続いているんだしボチボチ行きますか。

去年の今頃は録音も佳境に入った頃で手帳はシネマだらけ。

プロデューサー指令でさらに追加された14曲目のナンバー「M-14」に、

取り掛かったのが今頃でしたねえ。

この「Theatre Returns」ってのちに呼ばれる曲のセッションは楽しかったなあ。

もともとリズムの違うキヨの2曲を8ビートにしてつなげたんだけど、

もともとのデモのシャフルの感じも良かったよねぇとか言い出して、

じゃあそれも間にはさんじゃおうってことになって、

もう行き当たりばったりでどんどん曲が変わっていった。

あのエンディングのノイズなんていったい何分録ってたんだろう。

もう色んな楽器が次から次に倉庫から引っ張り出されて。

超オフェンシブなテイク。

今度あのアウトロの完全版も聞いてもらえるといいかもよ。

ではまた来週。

一日遅れのウエンヅいっしきでした。

写真はシネマ復活のもとになった、2004年4月の

キヨのライブの打ち上げ。

この向かいにさえちゃん(この頃まだひらがな)とコタキがいた。


夜のカフェ [一色ウエンズデイ]


夕べは浜田山のとあるバーでシネマな人たちお酒飲んでた。

例によって8割はくだらない話なんだけど、

2割な有意義な話もあったのでニュースがもしかしたら近々あるかもよ。

お楽しみに。

浜田山はちょっと昔に6年くらい住んでたことがあって、

懐かしかったんだ。

なんか近所で飲んでるような錯覚に陥って、ついつい遅くまで飲んじゃったよ。

バーに入るといきなり1910フルーツガム・カンパニーの「愛の設計」がかかってた。

懐かしすぎる。

1910はオレが初めて見た外タレだ。

でも、もうそのときはオリジナル・メンバーはひとりもいなかったんだけどね。

シネマな人たちと集まるといつも昔話に花が咲く。

あのロックが創成期だった時代の話。

ゲス・フーやシカゴな話。

シルバー・ヘッドやマッシュマッカーンな話。

アル・クーパーやブラインド・フェイスな話。

この5人組は根っこが近いんだよなぁ。

またあの店、行こうね。


シネ超。 [一色ウエンズデイ]


「シネマ超特急」




Happy new year! 映画ってほんとに素晴らしいね

Happy new year! 映画ってほんとに






ものごころついた頃には 僕は銀幕の中

ひととおりの生きる糧を教えてもらったよ

そんな総天然色の 路地裏で fall in love

君はサンゴ礁みたいな 謎めくヒロイン






雨はもう何十分もまえにとっくに上がっているけど

僕は君とひとつのこの傘を閉じるつもりはないのさ






ファンタジアで君にキスして

ウエストサイドで抱きしめた

街の灯りがうとましいね

裏窓で眩暈しそうさ

映画に恋してる君に恋してる僕はシネマ超特急 






Happy new year! 映画ってほんとに素晴らしいね

Happy new year! 映画ってほんとに






どう?

K1さん、シネ超おかしすぎ。

1番の歌詞書いたからキヨ曲書いてよ。

夏に録音しよう。やっぱ真夏は冷房キンキンのスタジオで風邪ひこうよ。

暑いの苦手。メタボリック・ミカ・バンド。





THE MOVE [一色ウエンズデイ]

左衛ちゃん、引越しお疲れさん。
引越しってかったるいよねえ、大っ嫌い。
大っ嫌いなんだけど、オレ今までにさっき数えたら12回引っ越してた。
多くね?
引越し嫌いになヤツに限ってそんな目に遭うんだよ。
なんかそのたびそのたびに引っ越さなくちゃいけなくなる事があったんだな。
今まで住んだ町はというと、
滝野川、板橋、鶴瀬、池袋、高円寺、新代田、高田馬場、
大山、西葛西、千川、浜田山、川越、鶴見と1都3県にまたがっちゃってるよ。
シネマと関係あるのは、新代田と高田馬場がモーション・ピクチャー時代。
たしかこのときはシネマの楽器車で引っ越したんだ。
先代ギタリストのヤッちゃんと。
このときヤッちゃんが段ボール1個分LP貸してって言われて
そのまま持って帰ったんだよなあ。
LP借りすぎだろ!そのままそのLP達はヤッちゃんとともにどっか行っちゃたんでした。
「ヤッちゃんとともに去りぬ」
クラーク・ゲーブルかっ!
その後段ボールの中身とおんなじヤツ中古レコード屋とかで見かけると、
ヤッちゃんが売っちゃたんじゃねえの?とか、
これオレんじゃね~の~?とか思ったもんだ。
さすがに店の人には言わないけど。
高田馬場に住んでたころが、信濃町ソニーに1番通ってたころだ。
このころは、K1さんと3日に1辺くらい朝まで飲んでた頃だ。
今でも馬場にいくとあの頃思い出すよ。
リターンズ時代は、ずっと鶴見かな。
「ミセス・センチメンタル」も「Jペグ」も「ベツバラ」もここで書いた。
左衛ちゃん、落ち着いたら忘年会やろうよ。
って、そればっかじゃん。
ほな、また来週。
画像は話しに関係あるようなないようなムーヴの3枚目のジャケ。

今夜は右脳で抱きしめてって [一色ウエンズデイ]

え~っと、すいません2週続けて蛙男ネタです。
今日、秘密結社鷹の爪THE MOVIE Ⅱ~私を愛した黒烏龍茶~を見に行って来ちゃいました。
ん~、そんなに好きか?ええ。
好きですとも。なんか問題でも?
だって面白いんだモ~ンスン・カフェ。
しかし、先週のJUNままのコメントにもありましたが、って呼び捨てにすんな!
JUNままさんのコメントのもありましたが、
この映画とシネマは浅からぬ関係があるような気がしますよ。
舞台はにしこり君の島根だし、
しまねぴあなんてシネマと同レベルのギャグがひつこいくらいに繰り返されるし。
って、あれ?しつこいだっけ?ひつこいだっけ?
じゃ、間をとって、につこいくらいに繰り返されるし。
主人公は吉田君だし。
鷹の爪団とケロロ小隊は角川書店『ケロロランド』でコラボしてるし、
総統はK1さんとちょっとキャラ被ってるし、
それにこの映画のエンディング・テーマ曲が、
the HOOSiERSの「Goodbye Mr A」って曲なんだけど
これがねえ、イギリスのバンドでめちゃくちゃシネマっぽいのね。
ちょっと、マンデイさん、「シネマ・リターンズ」蛙男商会に1枚送ってみても面白いかもよ。
実写版とかシネマでやったりして。
そうなったらキヨは大家さん役かもよ。
なんちゃって、ほなまた来週。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/thehoosiers/


FROG MAN SHOW [一色ウエンズデイ]

相変わらずニューズの数々衝撃的ですね。
もう、新聞開けるの怖いよ。
そん中でも今週衝撃的だったのは「ゆうこりんに新恋人。」
って、それなのかよ!
だって、オレのゆうこりんが。ってお前のじゃないし。
お前のだったら、新恋人一色進だろ!
でもさあ、女子アナネタで初めてシネマブログ、南部虎弾状態になってもねえ。
でも、「ゆうこりん、よいこ卒業」って記事には笑ったね。
って、うまいこと言うねマスコミ。
ネタフリこんなもんでいい?
しかし、K1さんの書き込み通りに土曜日は大変なことになってた。
元彌並お座敷ダブル・ブッキング。
浦安と八重洲でお座敷かかっててもう飲みまくりでいた。
八重洲の方は偲ぶ会的要素もあってK1さんと似てるかも。
失禁はしなかったけど。
結局朝帰り。
でも次の日曜日素敵な出会いがあったんですねぇ。
オレ超絶二日酔いの睡魔を邪魔するDVDが我が家で流されてたんですねえ。
みなさん、コレおもしろいよ~。

http://www.kaeruotoko.com/taka.html

これは、いいなあ。
みんな見ないと。って、ここんとこシネマ・ブログ
おもしろいもの紹介サイトみたいになってるな。
ま、いっか。
これは久しぶりに笑えるぞう。
なんか、メンバーと会って酒とか飲みたいなあ。
しばらく会ってないし。
そうだ、ちょっと早いけど忘年会やんない?

ブログ野郎 [一色ウエンズデイ]

なんか最近ブログ野郎なオレだぜ。
ひまさえあればあちこちで文章書いてる。
やな時代だなあ。
ジャック達のHPでもなぜか新連載始めちゃいました。
金にならないこと好きだなあ。

http://jacktachi.exblog.jp/i6/

気が向いたら寄ってみてね。って近所のスナックか!
「ブログ的」っつ~の始めちゃいました。
なんでこんなに文章書くのかっつ~と、
実はオレってば最終的にはどっか館山とかにでも篭って小説とか書いて
余生を暮らしたいなとか、ほんの5年位前まで思ってたのね。
予定では50過ぎたらロックなんて言ってる場合じゃないはずだったのに、
5年前に最後のバンドだ、つってジャック達始めたあたりから雲行きが怪しくなって、
気が付けばギターだベースだって、なんかしら担いで街うろついてんだもんなあ。
なんか、おかしいだろ?
あ~なんかパソコンと1日中向き合ってくだらないこと書き続けてるなんて
夢のような日はいつかやってくるんでしょうか?
今日も次回のライブのチラシ持って都内走り回ってました。
いま録音中で歌詞とかも書いてるし。
まだ当分、史上最悪の小説家にはなれそうもないね。

また、来週おあいしちゃうんだな、これが。

地震および台風 [一色ウエンズデイ]

天変地異、来てますね~。
東京でもって横浜だけど、結構ゆれたよ先週。
おまけにフライング気味の台風。
ふつー、2号とか上陸しね~んじゃないの?
って、上陸してないか?
もう、我が家じゃ2号さんってさんづけで呼んじゃったよ。
それ、意味違うから。
で、さっきまでキヨとニューベリーで飲んでたんだよ。
もう何企ててかは内緒。歴史は夜作られるのさ。
そんなことはいいんだけど、四川省は大変だね。
夏休みに成都にパンダ見に行くとか先週コメントしてたらこれだよ。
以下、夕べのプレタ・ポルテ。


プレタ「なんか四川省えらいことになってるらしいよ。」
ポルテ「パンダ、ダイジョブなのか?」
プ「だから、それどころじゃないから。昨日も日本のマスコミ現地に電話してパンダの安否確認して、うっとうしがられたから。」
ポ「だって、人よりパンダのが高いんじゃないの?」
プ「福田、パンダ呼んで支持率上げてる場合じゃないね。」
ポ「どうする、パンダと一緒に難民ごっそりくるよ。」
プ「そりゃ、いくらなんでも区別つくから?」
ポ「でも、パンダの中に入って来るかもよ、ぎゅうぎゅう詰めで。」
プ「そりゃいくらなんでもジャイアント・パンダ、ジャイアントすぎだろ!」
ポ「でも上野に着いたらそんなやつだらけだからなんとかなっちゃうかもよ。」
プ「福田も1頭とか2頭とかけち臭いこと言ってないでパンダ園ごとひきとればいいんだよ。」
ポ「東国原とか宮崎にどうぞ、って誘致しちゃうよ。それか夕張とかいいんじゃない、復興しちゃうよ一発で。」
プ「あ~、なるほどユウカリだけに。」
ポ「それ、コアラだから。」

ピクニック・ファミリー2008 (前編) [一色ウエンズデイ]

今回のウエンズデイは、ソーシャル・サイトの「mixi」に6回に分けて書いた
ベトナム旅行日記が好評だったので、ここにも貼らしてもらいます。
決して、ネタ切れじゃないですよ。
K1さんの回にも話題になってたしね。
ちなみに、登場人物はオレはオレです。
牛かあさんは、オレの相方で知る人ぞ知る「あおぞらプレタ・ポルテ」のツッコミの人です。
唯は9才、要は7才。プレタ・ポルテのファーストとセカンドです。
それでは、「ピクニック・ファミリー2008(ベトナム編)」お楽しみください。わりぃけど、長いです。
決して、ネタ切れじゃないですよ。って、しつこいから。
おすすめBGMは、レイ・デイヴィスの去年のアルバム「WORKING MAN'S CAFE」の1曲目。
「VIETNAM COWBOYS」


まずは替え歌。曲知ってる人はご一緒に。


「お家に足りないものはなに?
さっそくみんなで探しにでかけましょう
京浜東北そして成エキ
ベルトをしめたら空だよPICNIC FAMILY 」

 
 9時40分の飛行機なんかに乗れるんだろうか?オレは前の日まで辻堂だ青砥だ六本木だって年度末の引越しを待たれてる締め切り現場に追われてて家族の盛り上がりとは別にあわただしだった。
 そもそも今回なぜベトナムだったのかっていうと、牛かあさんが買ってきた1本のDVDが導火線だった。牛かあさんは大泉洋の大ファンで彼が北海道ローカルでやってる「水曜どうでしょう?」の原付ベトナム縦断1800キロっていう奴が彼女に火をつけてしまった。おまけに唯が所属しているY3プロジェクトっていう劇団を首謀している渡辺芽花(つばな)ちゃんっていう友人が1ヶ月前からホーチミンで日本語教師の仕事を始めたことが火に油を注ぐ。牛かあさん炎上!もう誰も止められない。気が付けば航空券は手配され、つばなちゃんが宿を押さえてくれた。
 3月26日朝5時目覚ましが鳴る。もちろん前日に準備なんかなにもしてない。戦争が始まる。とりあえず身軽にして足りないものはあっちで買おう方式だ、今回も。押入れから何日か分の夏服が4人分引っ張りだされまるで空き巣に荒らされた後かのようなうちを飛び出す。荷物こんだけっすか?伊豆に行くときよりすくない。バス停に6時に着き、鶴見駅へ。電車のなかで牛かあさんがそのとき初めてEチケットの控えみたいのをのぞき7時40分集合って書いてあるよ、とか言う。なに!もう6時半じゃん。成田にそんな時間に着けるんだろか?品川に着く前の車内アナウンスで成田エキスプレスは何番線とか言ってるのをオレは聞き逃さなかった。たぶん日暮里からスカイライナーだと絶対間に合わなそうなのでここで成田エキスプレスに賭けよう。
 降りるぞ、ってどんだけ無計画なんだよ。そして乗り換える。13番線に着くと成田エキスプレスが入ってくる。もうぎりぎりじゃん。全席指定とかもうこの列車は全席ソールド・アウトみたいなことアナウンスされましても、乗るっきゃね~んだよ。そして一家で連結器のあたりでこそこそする。次の東京さえクリアすればもうその次は空港第2ビルだ。口笛とか吹く娘。だからよけ~怪しいから。そして東京クリア。これでもう途中で降りろとか言われないだろう。家族に安堵が走る。って、密入国者かっ!来るぞ車掌が。まあ、特急料金払えば大丈夫だろうと、思ってると車掌に謝られる。「すいませんねえ、満席で。あそこの2席がお客さんが間に合わなかったみたいなんで座ってもいいですよ、特急料金はお子様の分はいいですよ。」とか言われる。なんていい奴なんだJR。ジュニアじゃないよ、ジェイアールだからね。おまけに成田エキスプレス早え~。品川から1時間4分で空港第2ビルに着く。
 7時40分に着いた。って、長げ~な~、まだ成田かよ。なんかこの日記かつてないほど長くなりそうなんで、1回上げとこう。またどっか行っちゃうとやだから。あ~、今週はシネマ・ウィークで練習とかしなきゃいけないのに、こんなことやりだすと楽しくてしょうがない。(これを書いてたのは晴れ豆のパリテキ・ライブの前でした。こんなこと書いてないで練習しろよ!)ちょっと休憩、つづき書くよ。って誰に言ってんだろう、とりあえず成田までたどり着く。
 搭乗手続き等など無事クリア。まだ出発まで1時間あるじゃん。余裕かます。腹へったからなんか食おうってことになるも、空港高け~んだよ。唯がマック発見。なんだマックあんじゃん。マック偉いなあ、値段一緒じゃん。パパが並んでるすきに牛かあさん席ゲット。この人こういうの天才的。オレ達のテーブルだけ椅子のならびがあきらかに不自然。そこここから椅子が集められ店内がざわつく。「あれ、さっきあった椅子がないわ」みたいな。その中でもくもくとお食事する4人。あ~食った食った。牛かあさんが、「ちょっと金おろしてくる。」といなくなる。まじかよ、今じゃなくても。パパは「ちょっとタバコすってくる。」一家離散。刻々と近づく出発時間。なのに離散したままなんですけど。なんとかめぐりあい、ぎりぎりで機内へ。ぎりぎりだよなあ、いつも。
 中華航空のキャビン・アテンダントさん美人。もう気分は上の空、って飛行機だから上の空当たり前ね。オレが江川ならロマンスのひとつも生まれそう。って、あほや。江川でもないし。   
 そして、飛行機は無事最初の目的地台北へ。ここで乗り換え、なんだまだ1時間あるじゃん。余裕かます。「なんか飲み物買ってくるね。」といなくなる母子3人。また離散。学習能力ゼロか!喫煙所でタバコすいながら、ふと思う。あの人たちここで使えるお金持ってんだろか?そして刻々と近づく出発時間。そして搭乗開始してるのに3人来ね~んだよ。もう出ちゃうってば。すると遠~くから近いづいてくる3つの影。「お金持ってたの?」コーヒー屋で並んでて自分の番になったら気が付いたらしい。またしてもぎりぎり。ぎりぎりだよなあ。最後のお客様だ。そして飛行機はいよいよホーチミン目指して飛び立った。
 そしてひとりの脱落者もなく中華航空機はホーチミン・タンソンニャット空港にたどり着く。タンソンニャットだよ、ニャットとか言われましてもなんのことやらさっぱり。そしてベトナムだよ、暑いなあ今4時40分。つばなちゃんが迎えに来てるはずなんだけど、仕事の都合でもしかしたら来れないかも。つばなちゃんを5時まで待つ。5時までに現れなかった来れないってことらしい。そして5時。ベトナム・スキル・ゼロの4人組のロールプレイングゲームが始まる。
 とりあえずタクシーで宿まで行くか?タクシーどれ乗ったらいいんだ。そうこうしてると英語のできる女性に牛かあさんがタクシーチケットとか買わされてる。これで市内まで行けますよらしい。それが得なんだとか言われてもそんなもんかと思うしかない。そして怪しげなタクシーに乗せられる。でも出ないんだなあ、これが。なんせ行き先言わないからね、オレ達。「いっちゃん、ホテルの住所わかる?」とか急に言われましても、「ちょっと待ってね、たしかケータイの着信履歴にあったような気が。」履歴をたどる。ピート、ピート、ヒロム、夏秋、ピート。来る前に7月のスケジュールのことでメンバーとメールで延々とやりとりしてたんだよ。いらつく運ちゃん。ん~、わかるわかる、ごめんねも~ちょっと待ってね。オレ達もホテル行きたいんだ。一緒一緒。ありました~。これこれ。読めないんだな~これが。ベトナム語。運ちゃんに見せる。「オッケー、オッケー、アイ・シー」なんだよ英語喋っていいのかよ、早くいってよ。ってほど喋れないけど。タクシーがやっとファングーラオという通りを目指して走りだしたのでした。
 そして市内に入ると驚愕の景色が。なんだこのバイクの量は。聞きしにまさるバイク天国。もうあっちからもこっちからも本田や鈴木や川崎が。ここに集まってたのか、盗難されたバイクたち。こっち向かって来てるよ、危ないって。なんだあいつテレビ積んじゃってんじゃん、それもバカデカイの。こっちはカブに何人乗ってんだよ。4人乗りだ。だからタクシーに当たっちゃてるって。信号とかないのかよ。ど~なってんのコノ街?バスこっちに来てるって。運ちゃんはクラクション鳴らしっぱなしで突き進む、ラジオで軍歌を聞きながら。「これいい曲だね。」と言うと、「ミリタリー・ソング」と教えてくれた。自分もミリタリーだったから懐かしいんだとも。「へ~」って、またバイク来てるから、よけないとね。フツ~、よけんのあっちじゃないの?
 そうこうしてるとファングーラオにとうちゃ~く。この辺らしい、ホテル。で、降りる。しか~し、住所だけでホテルを探さなきゃならない。どこだ~どこだ~?さっぱりわかりませんが。そこいらはミニ・ホテル街で何本もの路地にホテルが密集してる。さ~歩き回りますよ。なんか住所変わった、戻ろう。とかしてるうちに見つけちゃうんだなあ、さすがマップ・パパジャック。歩くたびに地図が構築されていくさすが生きてるシム・シティ。絶対磁石が入ってるので道になんか迷わないのさ。
 ありました。TRAM ANH。ってこれがホテルの名前だよ。よく見つけたな~。フロントで名前言うと入ってました予約。そして部屋に通される。3階の202号室。「うわ~、広い。」「きれ~い!」バルコニーまであるよ。ホテルのおに~さんが、自慢げにリモコンでエアコンのスイッチを入れる、かるくダンス気味に。ありがとうつばなちゃん、これで1泊一人500円なの~。シンジラレナ~イ。っていつの流行語なんだよ。クアラルンプールのときとはえらい違いだ。「いっちゃん、トイレも水洗だし、お湯もでる。」とりあえず基地確保。

 
 まずは替え歌、ってしつこいから。あれ?ひつこいだっけ?って日本語はやくも忘れだしてる。ホテルで一休みして街にくりだす。とりあえずホーチミンの相場を探ろうという作戦だ。ホテルの割と近くにベンタイン市場というホーチミン最大の市場があってそこを目指す。
 だいたいベトナムの通貨はドンってやつで1万円を両替すると10万ドン札が14~5枚やってくる。だいたい140~150万ドン。もうここでわけがわかんなくなる。札のゼロが多すぎて色も似ててわかりずらい。で、これを下のゼロを3つ省略して言うからよけいに混乱する。「いくらなの?」って聞いて「13ね。」とか言われるとこれが1万3千ドン。これに慣れるのに時間がかかった。もたもたしてると財布に手をつっこまれてお札を取られておつりをねじ込まれる。まあだいたいは合ってるので悪意はないんだけど、街には定価らしきものは見当たらなくてだいたいが交渉。もう観光客から金巻き上げるための国家レベルの陰謀じゃないかってくらい金勘定がむずかしい。すぐに電卓でてくるし、やるなあ社会主義国。
 とにかく慣れるしかない。そして一家は市場を目指す。歩き出すとまたベトナムが攻めてくる。この通りを渡るのか?どーやって渡るんだ。もの凄い数のバイクが川の流れのように途切れない。3車線ずつある広い道に。もちろんバスも車もトラックも走ってる。でもみんな渡ってんだよ。横断歩道も信号もあるのにみんなおかまいなし。みんな好き勝手に行き交ってる。
 「ひょえ~、マジかよ。」脇で煎餅売りのばばあが渡ろうとしてるので横に引っ付いて渡りだす日本人4人。ばばあ楯にするな!「離れるなよ~。」っつってんのに唯ちょっと遅れる。バスが唯を視界から隠す。バスが通り過ぎると唯が生きてた。あわてて追いついてくる。その間に煎餅ばばあは渡りきっちゃってんじゃん。楯ないじゃん。「じわじわ行くよ~。」合言葉が出来上がる。やった~!渡りきれる。ちょっとホーチミン市民に近づけた気がする。
 こんなことを何回か繰り返して市場に着くと、市場は6時までだった。片付けだしてんじゃん。それと入れ替わりに市場の回りに大量の屋台や出店が並びだす。とりあえずサンダル買おう。靴じゃ熱い。いろいろひやかして回るが高いのか安いのかが今ひとつわかんない。でも色んなものが売っててみんな購買意欲をそそるセンスいいものが多い。つばなちゃんとあとで会うのでそこでもうちょっと情報を仕入れてから買い物しようということになり、買い物は明日。
 つばなちゃんが9時に仕事終わって10時に待ち合わせてるので、まだ4時間くらいある。けっこう機内食が量があってあんまりお腹すいてないんだけどとりあえず座ろうとたまたま寄った屋台のメニューに日本語ものってた。ちょっとラッキー。とりあえずビール。お子達はジュース。かんぱ~い!あとなんか肉と野菜頼む。すると野菜とは別に皿いっぱいの草が運ばれてくる。なにこの草?その辺に生えてたやつじゃないの?これ頼んでないよみたいなことを店員に言うとサービスらしい。草サービスされてもなあ。肉と一緒に食べるらしいのだが、もろ草なんですけど。べつにパクチーとかクレソンとかじゃないし。でも料理はうまい。不思議な味だけどうまいよ。
 いったん部屋戻って汗ながしてつばなちゃんと待ち合わせてる聖マリア教会まで向かう。子供たちも眠そう。そりゃそうだ。朝5時から起きてて飛行機じゃちょっとうとうとぐらいしたけど、もう10時だ。そこに時差2時間足したら日本時間だと12時だもんなあ。部屋で待ってるか?と聞くと「行くと」いうので歩いてもらいましょう。地図で見たら近そうに見えたんだけど歩くとけっこうあった。でも交通量夕方とそんなに変わらないのに渡るの上手になってる。「じわじわ行くよ~。」が板について来た。ばかデカイ教会の前は広場になっていてそこにはたくさんの若者が。しばらく待ってるとチャリンコに乗ったメシアが現れる。「つばなちゃ~ん!」来ましたね~。もう子供達眠そうなので食事はやめてカフェへ。そこでベトナムぜんざいみたいなもの頂く。明日からの作戦会議して別れる。
 つばなちゃんとは明日9時にホテルで待ち合わせてホテルに戻る。遠回りして帰るときにコンビニ発見。なんだコンビニあんじゃん。ここで酒とつまみと歯ブラシとか水とか大量に買い込み店員に笑われる。コンビニでこんなに買うなよみたいな。あんたたち引っ越してきたの?みたいな。そして長~い初日終わった。

 ホテルにたどり着くともう夜の12時近かった。ここのホテルは一応11時過ぎると門が閉まってしまう。門限ってやつだ。でもあんちゃんが一人起きててくれて入れてくれた。「サンキュー、グッナイ。」このあんちゃんはこれからファミリーがいる間中こんな目にあうのだ。部屋に帰るとお子達即寝。おとなたちは気絶するまでの宴会。
 しかし、いちころで朝がくる。朝起きてバルコニーに出て、そこからの景色を見ていた。とにかくボロボロなのだ。つぎはぎだらけの建物。デコボコなインターロックの舗道。誰も直そうとしない。
 朝9時につばなちゃんがホテルまで来る。午後から仕事なので午前中は付き合って街をうろつく。朝1番でホテルの近くの旅行会社のいって明日のメコン日帰りツアーを予約した。そこで割高の日本語ガイド付きにするかどうするかでちょっともめるもあっさりと牛かあさんの「いらない。」の一言で片がつく。オレは子供達がなに言ってかわかんないのはつまんないかと思ったのだが、簡単に却下される。しかし、翌日この判断が大正解なのを思い知らされるんだな、やるな牛。
 そして腹へってたんでつばなちゃんオススメのフォー屋に行く。唯がカレー食いたいというのでカレー。かあさんはフォー牛。オレがフォー鳥。要が海の幸フォーみたいの。つばなちゃんが、あんたたち朝からそんなに食えんの?みたいな顔してるが、ファミリー完食。唯は、あんまり辛くないとか言いながらカレー全部食う。そこでの唯とつばなちゃんの会話がおもしろかったんだな。


つばな「唯、来年の2月ってひま?」
唯「たぶん。」
つ「私2月に1ヶ月くらい日本に帰るんだけど、また芝居やるつもりなのよ。ちょっとの稽古でできそうなやつやるつもりなんだけど、朗読劇みたいの。唯、出てくんない?」
ゆ「いいよ。」


 小4に来年の2月ひまって聞くのもすごいが、たぶんって答えるのも笑える。腹ごしらえできたので今日も歩きたおす。牛かあさんに「いっちゃん、あしたはメコンだからお土産とか買うんだったら今日買っといたほうがいいよ。」とか言われる。マジっすか。昨日来たばかりなのに。
 一行はドンコイっていうホーチミンの銀座みたいな通りの国営デパートへ。ホーチミン銀座。どこにも銀座あるなあ。そこでまたやられた。5階でこりゃえ~わいと買ったお土産候補が2階におりたら3分の1の値段で売ってた。オレのお土産は高い方のだからねって言いながら渡さなくては。しかし、おんなじものおんなじ建物の中で露骨に別の値段で売るなよ。
 要はおもちゃ売り場で風船買ってもらう。風船って。そのあと象牙屋に言って母子たちは判子を注文する。できあがりは3日後。その日はオレはもう東京だ。
 ここでつばなちゃんは仕事に行くのでしばしのお別れ。地図をみたら川が近いので川好きの一家は川岸の公園に向かう。サイゴン川だ。ものすごくデカイ川。そこを流れる茶色い水。ベトナム来たなあ感満載の素晴らしい川だ。川フェチのはたまらない。って、どんなフェチなんだよ。そしたらウンコしたくなる。困ったもんだ。川岸の公園のテラスみたいなとこの公衆トイレだ。ベトナムで空港とホテル以外での初トイレ。東南アジアのトイレはちょっと根性がいる。クアラルンプールでは要はここじゃできないって泣いたっけ。泣くならもらせの時間がやってきました。トイレ・チップ2000ドンを払って入るとマレーシアよりをずっとましなのだが、ちゃんと個室になってるし。個室の外の大きなポリバケツに水がたまっててそこに小さなバケツが浮かんでいる。はは~ん、これで流すんだな。部屋にはいると(部屋いうな!)、便器のわきにごみ箱があってそこには使用後の紙が捨てられている。はは~ん、紙はながしちゃいけないんだな。
 トイレ終了。要もトイレにやってくる。こんなの全然へ~きだよって顔してる。作法を教えてあげる。そして楽しそうに水を流してた。もう流れてるからもうくみに行かなくていいからね。
 そして一休みしたファミリーはつばなちゃんに教えてもらったベンタイン市場よりも物価が低いらしいチョロンのビンタイ市場を目指すのだった。バスだよ。バスなんか乗れんのか?だいたい東京でだって知らないバス乗るの一苦労なのに、字も読めない街で行ったことないとにバスで行くの一苦労もふた苦労もあるんだよね。おととしのマレーシアでも国境越えるときにバスに置いてかれちゃった苦い記憶があるし。いったいピクニックファミリーはバスでチョロンにたどり着けるんでしょうか?      つづく。

ピクニック・ファミリー2008 (後編) [一色ウエンズデイ]

こちらは、後編です。


  ベトナムは日本と似て90%がベト族からなるほぼ単一民族の国。だからフツーに暮らす分にはベトナム語で事足りる。僕らが今のとこうろうろしてるあたりはまだ観光客の多いあたりなので片言の英語が通じるんだが、バスで行く先あたりはいよいよ英語未開の地だ。知~らない。
 ベンタイン・バス・ターミナルはおそらくホーチミン最大のバスターミナル。そこに40台くらいのバスがそれぞれの行き先を掲げて止まってる。どれなんだよ~、チョロン行き。わかんね~てば。しょ~がないんで聞くと、手を引っ張られてバスに連れて行かれて乗り込む。「ほんとにこのバスなのか?」「どっか連れてかれちゃうんじゃないの。」バスの車掌がバス賃取に近づいてくる。って気分は成田エキスプレスのときと一緒だ。
  「チョロン」って言うといくらいくらみたいなこと言われたので金をはらう。どうやらチョロンに行くのは間違いなさそうだ。「次はどこどこ~。」とか言うのは日本のバスだけだ。あんなに過保護なバスは東南アジアには走ってない。もう勝手に自分で降りるしかなんいだ。だってみんなそうしてる。
 チョロンってどこなんだろう?見過ごさないようにしないと、と車窓からみえる景色をガンミしてたら突然爆発音がした。「ひえ~、テロなのか?」うしろの席にいた要が風船ふくらましすぎて割りやがった。「ソーリー、ソーリ、ベリー・ソーリー」ひたすら謝る親二人。このばかやろう!風船割るな!でもほかのバスの乗客は笑ってる。よかった吊るし首の刑に処されるかと思ったよ。
  ベンタインから30分くらいバスは走っただろうか終点のちチョロン・バス・ターミナルに着いた。なんだ終点だったのかよ。早く言ってよ。そこはさらにディープな世界。もうすべての建物が今にも崩壊しそうだ。そこでバス勝利の杯をかわすべく屋台のカフェみたいなところに入るも売ってる飲み物がビンに入ってはいるものの見たことないものばかり。ペプシとかはない。とりあえず色の違う飲み物を4つたのむ。唯が、「これ歯磨き粉だよ。歯磨き粉。」と叫ぶ。歯磨き粉らしい。オレのはなんかへんに甘い豆乳。かあさんのは赤いんだけど味がしない。要の緑の奴がかろうじてましだった。そうこうしてたら脇に止まってたリヤカーの下の白い布が動いて中から鶏が顔を出した。オレが面白がって近づき写真を撮ろうとしたら、そばにいた現地のおねえさんが慌てて鶏をかくした、オレを睨みつけて。大丈夫だよお、鶏盗らないよお。ずいぶんそんなことしそうな奴に見えたんだろうな。ベトナムの人は超能力あるのかも。見透かされてる。
 そして巨大な市場、ビンタンへ。デカイぞう、ここ。ベンタインの倍以上はある。東京ドーム1個分のドンキホーテみたいなもんだ。圧縮陳列にもほどがある。物積みすぎてて取れないんですけど。通路は狭いし、売ってる人は売る気ない。ベンタインが原宿だとすると、ここは合羽橋といった感じ。よそ者には冷たい。牛かあさんがお土産にと大量にマスク買ってる。きのうバイクの群れの人たちがみんなものすごくポップででかいマスクをしてたのが気に入ったらしい。どんだけ買ってんだよってぐらい買ってる。大量にマスク買い漁る日本人って。
 サンダルとか、Tシャツとか、下着とか買うも確かにここは安いだけど、感覚で言うと長崎屋とかニチイとかいった感じで、安いなりのものといった感じの品揃え。ベンタインの方が購買意欲そそるものが揃ってる。で、さんざん遊んでベンタインに戻ることに。
 帰りのバスは全然迷わずに乗れた。バスからの眺めも楽しみながら戻れた。要がまた風船ふくらましてるが、割れるほどは膨らまさない。
  ベンタインで明菜かってくらい買い物して、昨日行った同じ屋台に行ってまた夕食。とにかく働いてるあんちゃんたちが全員イケメンたちで、牛かあさんが気に入ってしまった。肉と魚と野菜と草をライス・ペーパーに巻いてたらふく食う。唯が要の膨らました風船をTシャツの中に入れて「ベイビー、ベイビー」とか言って、そこらへんの観光客にうけまくっちゃてたり、写真に撮られちゃったりしてる。あんた、なにもんなんだよ。帰りに要が欲しいというのでランプータンを買うのだがどこでどうなったのか大量のランプータン買う。このランプータンはその5日後要と一緒に成田まで帰ってくるほどだった。
 例のコンビニよってワインとビールを買い込み、この日は門限前にホテルに戻る。あした7時集合だしね、メコン・ツアー。しかし、夜中にワインが足りなくなりオレがまたコンビニまで行く羽目に。寝ないんだなあこれが。ワインぶら下げて帰ってくると例のホテルのあんちゃんが待っててくれた、あきれ顔で。「サンキュー、グッナイ。」


 3日目。朝6時起床。メコン・ツアーは7時半集合だ。でもとりあえず起きたのはオレだけ。みんなを起こさなくては。って鶴見にいる時と変わんないじゃん。ホテルの部屋のテレビになぜかNHK-BSが入るのでつける。もう鶴見じゃん。谷啓が映ってる、がちょ~ん。
 そしてファミリー徐々に起きだす。朝食は昨日コンビニで買った食パンとジュース。オレはポッカ缶コーヒー。これってトラベラーじゃないよね。でもこのベトナム食パンうめ~よ。みんなで1斤食う。そろそろ仕度できたかな?ってころに牛かあさんがシャワー。出たよ。今入んなくたっていいじゃん。いつもこれだ。これでまたぎりぎりになる。「行くよってば。」
  幸い集合場所はホテルから目と鼻の先。間に合っちゃうんだな。いますよ~みなさん。ナニジン達なんだろ?これからこの人たちと1日道連れなんだな。みょうにはしゃぐような奴とかいない。みんな微妙な距離感を楽しんでる。バスに乗り込むと市内をぐるぐる回る。どうやら集合場所が何箇所かあるんだな。そのたびに待つ。そこにもういて待ってろよと思うのは日本人だけらしい。まあここじゃ時計なんてあってないようなものだ。でも最後の集合場所で一番みんなを待たしたのも日本人カップルでした。そんなもんだ。
  一行がメコン川ほとりのミトーって町を目指します。水戸じゃないよ。納豆食ってど~すんだよ。うまいけど。一行だいたい総勢20人くらいか?うちわけは、まずオレ達いかにも見るからに変な家族構成の日本人一家。その後には和気あいあいな中国人ファミリー。早くもそこのガキに要がちょっかい出してる、風船で。オレ達の隣にはアメリカかカナダから来たっぽいちょっと年いったカップル。でも夫婦じゃない感じ。訳あり感満載。その後には陽気なフレンチ・ファミリー。そしてヨーロッパ、たぷんスペインから来たっぽいキャピキャピ・ギャルズ。その後に最後に乗り込んできたダブル・イン・カム・ノー・キッズな日本人若夫婦。その隣は映画に出てきそうな美男美女のドイツ人ラブラブ中な2人。そして国籍不明な地味なカップル。あとは忘れた。でもそんな感じ。
 もうバスは早くホーチミンを抜け出したいんだが、例のバイクの群れが行く手を阻む。阻むぞ~こいつら。そんなアンドン市場の近所で牛かあさんがスーパーを見つけちゃう。「なんだスーパーあんじゃん。あとで行こうよ。」とか言う。CO-OPついに牛かあさんに発見されてしまう。あとで行くらしい。わりとホテルからもそんなに遠くない。
  バスがバイクを蹴散らして市内を抜け出すと国道1号だ。いっきに広がる田園風景。牛がそこらじゅうに。道とか歩いてる。バイクの次は牛かよ。そしてミトーまでは約2時間。ガイドの男の人がベトナムの歴史とか話してくれる。アメリカン・ジョークを交えて。この人がなかなか芸達者なんだなあ。要の去年までの担任の前園先生にうりふたつ。オレ達に前園とか呼ばれる。「前園何言ってっかわかんね~んだよ~。」とか唯に言われる。でも30分もすると前園の英語にもなれてくるから不思議だ。欧米人の本格的な英語よりも聞きやすいかも。あ、前園は当然ベトナムの人。ベトナムはフランスの植民地だったくだりはみんなふんふんて感じで聞いていたんだけど、アメリカがやってきた下りでアメリカ人が露骨に嫌そうな顔したんで話をはしょる前園。やっぱ、アメリカ人にはベトナム戦争は汚点なのか?じゃ、来るなよ。とか思うがまあ今のベトナムは活気があって素晴らしいからね。しかしホーチミンから結構離れたところに千葉ニュータウンみたいな新しい町がにょきにょきと建ち始めてる。バブルがやってくるのか?日本やアメリカの失敗を学習してもらいたいもんだ。
 そうこうしてるとバスが止まった。休憩タイムらしい。国道のわきのサービス・エリアと呼ぶにはほど遠い休憩所にはトイレとカフェとハンモックがあった。オレはホット・コーヒー。ベトナムのコーヒーうまいんだが、ここで飲んだコーヒーが1番うまかった。インスタントなんだけど何がちがうんだろう?牛かあさんはビール。子供達はハンモック占領してる。中国人の子供も遊びたそうなのに。あけてやれよ。もう要はぐるぐる回っちゃってる。ブランコじゃないんだから。迷惑なやつら。
  そしてそこを後にしてミトーまで。メコン、デカイ。サイゴン川の3倍はある。そこからはフェリー・ボート。ボートに乗り込む前に前園が帽子があったほうがいいと言われたので牛かあさんが子供達用に帽子2個買う。これがサイズもデザインもあったもんじゃないって代物。お子達いい迷惑。赤道の近所行くんだから家から帽子くらい持ってこいよって話だが、ピクニック・ファミリーには通用しない。
 ボートはメコンを進む。泥の河だ。巨大な三角州の中洲ひとつひとつが島の様にデカイ。じっさいひとつひとつに島の名前がついてる。ミトーから1番遠い島に着くとボートは大河を右折してボートがやっと通れるくらいの支流へと入っていく。マングローブの林。もう「地獄の黙示録」みたいだ。かっちょえ~。川の両岸に地元の子供が手を振ったりして立ってる。「シンチャオ~」とか叫ぶ。前園がそう言えと。こんちわ~、らしい。
  船着場に着き下船。要が前園独占してる。おぶられたりとして。きみきみ、似てるけどその人前園先生じゃないからね。しばらくあるいてお茶屋みたいなとこで、お茶とフルーツいただく。フォーク・ソング聞きながら。土着な楽器とおいしいお茶。唯がピッコロみたいな笛をお土産屋でゲット。そのあとずっと一行の先頭で笛ふいてた。そこに続く多国籍軍。ハメルンの笛吹きか。
 そして次の場所への移動は馬車。馬、ヒト6人乗せた馬車を引っ張る。オレ達の馬車遅い。馬リボンつけてたから女の子なのか。どんどん抜かれる。馬、一生懸命走るんだな。馬、お疲れ。
 次の出しものは蛇。パイソンが檻から出される。2メートルはあろうか。前園がパイソン持っちゃてる。おとなしい大蛇。ここは恋人にいいとこ見せないとイケメン・ドイツ人くんがビビリながらもパイソン首に巻く。一同歓声。彼女が写真撮ろうとするんだけどデジカメの使いかたが今ひとつわからないらしい。でも彼、紳士だからやさしく教えてあげてんだけど首には蛇が。近づくと彼女が逃げるし、コントかっ。「さ~、次はだれ~?」前園が盛り上げるけど、みなさん躊躇しまくり。ここはオレ行くでしょう。オレが首に巻く。「ゲッ、重いんですけど。マジっすか。」ユイカナ大喜び。かあさん写真撮る。こんどは要が巻く。ちょっと自慢げ。唯も一緒に巻きなよ、っていったけど唯ビビる。でも普段要に偉そうなことばっかり言ってる手前、巻かないわけにはいかない。意をけっして唯と要とパイソンの3ショット無事撮影。ここで蛇ちょっと元気になっちゃう。口から舌がピロピロ~って出ちゃうんだな。唯さらにビビる。他の一行も子供がしょったんだからって次から次にパイソン取り合いになっておかしかった。けど結局牛かあさんは巻かずじまいでした。前園が一人終わるとまた蛇はずして持つ係りだったのに、スペイン・ギャルのあたりでどっか行ってしまい、あわれうら若きギャルは蛇巻いたまましばらく放置される。「なんとかしてよ~。」ってたぶんラテン語で叫ぶも、みんな腹抱えて笑ってる。前園帰ってきて、あやまることしきり。おっかしいなあ蛇。
 そして今度はカヌーだ。4人乗りカヌーなので1艘は我が家貸し切り。にわかに6カ国対抗カヌー・レースの様相を化す。必死にこぐ各艇。オレ達はポール・ポジション・スタートだったのに要が逆にしか漕げないんだなぁ。進まないだよ。またどんどん抜かれる。牛かあさんとバトン・タッチ。なんとかゴール。そこにはさっき乗ってたフェリー・ボートが待ってる。さすがうまく出来てんね。ボートがちょっと出かかったときに前園が船頭に引き返せと言う。まだフレンチ・ファミリー乗せてねえよ。そこにフレンチ・ファミリー・カヌー到着、「お~い、置いてかないでくれ~。」ってたぶんフランス語で叫んでる。一同爆笑。無事一向次の目的地へ。前園が、福沢アナみたいに「腹へったか~!」って叫ぶ。英語で。一同ウルトラ・クイズみたいに、「オ~!。」って英語で。ってオ~は英語なのか?「次は、ブランチだぜ~。」前園盛り上げる。もう2時過ぎてるし、腹へりへり。
 そして次の目的地に向かうボートから前園がまた発見する、「河に白いサンダル流れてるけど、誰かのじゃないか?」ドイツのイケメンくんが「オレのサンダルが片方ない。」ってたぶんドイツ語で言う。引き返すフェリー・ボート。しかしなんで裸足なんだよ。石田純一だって靴下はいてないけど靴ははいてるっちゅ~ねん。笑うなぁ、ボートとサンダルの追いかけっこ。そしてボートがサンダルに追いつく。するとJRの駅みたいに小さいロッカーみたいのパカッてあけるとそこから結構柄の長い網が出てきた。これですくって一件落着。沸き起こる歓声。ガッツ・ポーズとるジャーマンあんちゃん。バラックか!しかしみんな色んなもの落とすんだろうな。じゃなきゃあんな網が常備されてるわけない。落ちたのが要じゃなくてよかったね。
 そしていざブランチへ。船着場で他のツアー一行の乗ったボートにぶつけて面白がる船頭&前園。そのツアーがよく見ると、全員日本人だったのね。あれか?日本語ガイドつきツアー。前の日あっちにしようとか言ったことを反省する。牛かあさんが正解でした。だってあれじゃ農協の団体さんだ。牛かあさん、ごめんね。この多国籍軍の方がはるかに楽しそうだよ。
 また、下船した多国籍軍は唯の笛につられてブランチ会場へ。ここでテーブル日本人同士に初めてなる。どこから来たんですか?言葉が通じた。って当たり前だろ。「横浜です。」「え、うちも横浜です。」なんたる偶然じゃろか。しかも聞けば牛かあさんが勤めてる小学校の近所と来たもんだ。話題はあのホーチミン名物バイクの河「あの、交差点とか渡れます?」「うちは慣れました。」「すご~い。」とか言われる。ほんとにあのバイクの量は衝撃ですよ。だって日本人同士が偶然ばったり合ってまずこの会話なんだからね。お待ちかねのブランチは焼きそばだった。さんざん待たせて腹すかせれば文句言わずになんでも食うだろう作戦かと思った。だってインスタントなんだもん。でもあとでつばなちゃんに教えてもらったんだけど、ベトナムの焼きそばはみんなインスタントなんだって。しかもこればバカうま。漢字で書くと馬鹿馬。馬2頭分のおいしさ。おばちゃんが籠に入った缶ジュースやら缶ビールやらを持って「飲み物何にします?」ってたぶんベトナム語で言うから、パパママはビール、唯が7アップ。要がダイエット・コーラをやめてデブになる方のコーラ。「ダイエット・コーラまずいんだよね。」とか言ってるし。あ~、さいざんすか。ところがこの飲み物は金取られる。やるな~社会主義国。てっきりコースに入ってんのかと思うじゃん。最初に言えよ、おばちゃん。べつにちゃんとはらうけどさ。
 そしてここでちょっと休憩してこんどはココナッツ・キャンディ工場。ウチの近所の森永の工場みたいの想像してたオレも悪いんだが、これがせこい工場。家内制手工場か!可笑しい。ものすごくベトナムっぽい。
  つーか、このままだとこの日記終わんないよ。そいで楽しいメコン・ツアーも全行程終了。あとは、ミトーに船で戻ってバスで帰るだけだ。あ~面白かった。


  そしてホテルつく頃はもう薄暗くなってた。フツーなら後はもうのんびりじゃないの?ところが、まだまだ3日目終わんないんだなあ。終わんないぞこの日記も。どんだけ長いんだよ1日。「あとでつばなちゃん9時ごろ来るからお昼寝しときな。」とお子達をホテルに残してオレと牛かあさんはすぐさま外に向かうのだった。目指すはスーパ-。目指すなあ、ちょっとは休めよ。鮫かっ!
  で、もう棒状の足引きずってスーパーへ。ファングーラオの通りのはずれのアンドンっていう市場を通り過ぎて五差路みたいな複雑な交差点をものすごく複雑に渡りきると朝バスから見たスーパーがあった。中に入ってまた驚く。調味料とか乾物とかがデカイ。1リットルのペットボトル入りヌクマムとか。一番笑ったのが5キロ入り味の素。お前らどんだけ味の素使うんだよ。「ひとめぼれ」か!米じゃないんだから。そこにでっかく「味の素」って日本語で書いてあんだよ。おなか痛いって。写真撮りたかったなあ。スーパーにあんまりデジカメ持って行かないもんなあ。コーヒーぜひ買いたいと思ってたんだけどネスカフェなんだよ売ってんの。これがベトナム式コーヒーなのかなあ?見た目は日本で売ってるネスカフェと変わんないし、ということでパス。ヌクマムやらお菓子やら洗濯バサミやらタイガーバームやらブラジャーやら買う。いかれてんね、ほんとに観光客なのか?
 つばなちゃん来る前に帰んなくちゃってことでスーパーの袋ぶら下げて歩いてると、さすがに物乞いとかお花買ってくださいみたいのが近づいてこない。途中で昨日から気になってたフランスパンのサンドイッチみたいの売ってるおばちゃんの屋台があって、「あれうまそうだよね、いっちゃう?」みたいなアイ・コンタクトが成立。そして向かう。なんなんだろ、これ?「ふたつ、ちょ~だい。」テレパシーで言うと、「中身どれにするんだい?」みたいなベトナム語。「ん~、これとこれ。」おばちゃんが手際いいんだな。これが信頼関係を呼ぶ。まず始めにパンにコンビーフ色したレバー・ペーストみたいなの塗るんだけど、これが肝なんだなきっと。なんだかわかんないんだけどこれがマヨネーズと合わさって、異国な味をかもし出す。うまいんだってば。あとで本で見たら載ってた。バイン・ミー・ティットって言うらしい。くせになるなこれは。
 ホテルに戻るとお子達は案の定寝てなんかいなかった。ふたつのベッドと風船を使った新ゲームを編み出し、ルールはすでに成熟していた。部屋はぐっちゃぐっちゃだけど。やがてつばなちゃんが現れる。「何、食べたい?」って言うのでオレは、フォーじゃなくてラーメンが食べたいと言うと、「ウチの近所においしいラーメンの屋台あるよ、こっからだと20分くらい歩くけど。」とか言われる。「平気、平気、そこ行こうぜ。」ということになったのだが、実際は50分くらい歩いた。足、丸太化。しかしこのミーっていう麺がうまいよ。オレは米麺のフォーより麦麺のこっちの方がすきだ。西山製麺のちぢれ麺をばりかたに茹でたみたいな麺。スープはフォーのスープ。これいいじゃん、これこれ。子供達は昼寝パスしたせいでここで気絶。ここでつばなちゃんにおやすみなさいしてタクシーでホテルに漂着。
  超長い3日目終了。オレは部屋でワイン。ホーチミン最後の夜に一人淋しく2本飲んだ。なにするでなく。ただただ、おいしいおいしいと。そして翌朝オレは11時の飛行機で日本に向かうべく、朝8時に家族とお別れしてタクシーを拾うんだった。あ~なんで明日ライブなんて入れちゃったんだろうとか思いながら。子供はいっこうに起きる気配を見せなかったのでそのままお別れだ。牛かあさんが表の通りまでお見送りに来てくれた。つばなちゃんが教えてくれた優良タクシー会社の山のマークを見つけんのにちょっと手間取ったが、無事拾えて牛かあさんにしばしのお別れを告げる。オレはひとりで日本まで辿り着けんだろうか?気分ははじめてのお使いだ。


  と、ここで日記は終わりなんだけど、その3日後ファミリーが成田に帰ってきた。後日談を聞かされて1番驚いたのは、オレが帰った日から牛かあさんがレンタ・バイクを手に入れてつばなちゃん、唯、要と4人乗りでホーチミンの悪路を走り回ってたってこと。やるなあ。その日の夜、バイクでホテルに帰ってフロントにバイクの鍵預けた時に例のアンちゃんは目を丸くしたらしい。またホーチミンに行きたいもんだ。牛かあさんは、もうベトナムなら住めると申してました。               おわり。
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