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ピクニック・ファミリー2008 (後編) [一色ウエンズデイ]

こちらは、後編です。


  ベトナムは日本と似て90%がベト族からなるほぼ単一民族の国。だからフツーに暮らす分にはベトナム語で事足りる。僕らが今のとこうろうろしてるあたりはまだ観光客の多いあたりなので片言の英語が通じるんだが、バスで行く先あたりはいよいよ英語未開の地だ。知~らない。
 ベンタイン・バス・ターミナルはおそらくホーチミン最大のバスターミナル。そこに40台くらいのバスがそれぞれの行き先を掲げて止まってる。どれなんだよ~、チョロン行き。わかんね~てば。しょ~がないんで聞くと、手を引っ張られてバスに連れて行かれて乗り込む。「ほんとにこのバスなのか?」「どっか連れてかれちゃうんじゃないの。」バスの車掌がバス賃取に近づいてくる。って気分は成田エキスプレスのときと一緒だ。
  「チョロン」って言うといくらいくらみたいなこと言われたので金をはらう。どうやらチョロンに行くのは間違いなさそうだ。「次はどこどこ~。」とか言うのは日本のバスだけだ。あんなに過保護なバスは東南アジアには走ってない。もう勝手に自分で降りるしかなんいだ。だってみんなそうしてる。
 チョロンってどこなんだろう?見過ごさないようにしないと、と車窓からみえる景色をガンミしてたら突然爆発音がした。「ひえ~、テロなのか?」うしろの席にいた要が風船ふくらましすぎて割りやがった。「ソーリー、ソーリ、ベリー・ソーリー」ひたすら謝る親二人。このばかやろう!風船割るな!でもほかのバスの乗客は笑ってる。よかった吊るし首の刑に処されるかと思ったよ。
  ベンタインから30分くらいバスは走っただろうか終点のちチョロン・バス・ターミナルに着いた。なんだ終点だったのかよ。早く言ってよ。そこはさらにディープな世界。もうすべての建物が今にも崩壊しそうだ。そこでバス勝利の杯をかわすべく屋台のカフェみたいなところに入るも売ってる飲み物がビンに入ってはいるものの見たことないものばかり。ペプシとかはない。とりあえず色の違う飲み物を4つたのむ。唯が、「これ歯磨き粉だよ。歯磨き粉。」と叫ぶ。歯磨き粉らしい。オレのはなんかへんに甘い豆乳。かあさんのは赤いんだけど味がしない。要の緑の奴がかろうじてましだった。そうこうしてたら脇に止まってたリヤカーの下の白い布が動いて中から鶏が顔を出した。オレが面白がって近づき写真を撮ろうとしたら、そばにいた現地のおねえさんが慌てて鶏をかくした、オレを睨みつけて。大丈夫だよお、鶏盗らないよお。ずいぶんそんなことしそうな奴に見えたんだろうな。ベトナムの人は超能力あるのかも。見透かされてる。
 そして巨大な市場、ビンタンへ。デカイぞう、ここ。ベンタインの倍以上はある。東京ドーム1個分のドンキホーテみたいなもんだ。圧縮陳列にもほどがある。物積みすぎてて取れないんですけど。通路は狭いし、売ってる人は売る気ない。ベンタインが原宿だとすると、ここは合羽橋といった感じ。よそ者には冷たい。牛かあさんがお土産にと大量にマスク買ってる。きのうバイクの群れの人たちがみんなものすごくポップででかいマスクをしてたのが気に入ったらしい。どんだけ買ってんだよってぐらい買ってる。大量にマスク買い漁る日本人って。
 サンダルとか、Tシャツとか、下着とか買うも確かにここは安いだけど、感覚で言うと長崎屋とかニチイとかいった感じで、安いなりのものといった感じの品揃え。ベンタインの方が購買意欲そそるものが揃ってる。で、さんざん遊んでベンタインに戻ることに。
 帰りのバスは全然迷わずに乗れた。バスからの眺めも楽しみながら戻れた。要がまた風船ふくらましてるが、割れるほどは膨らまさない。
  ベンタインで明菜かってくらい買い物して、昨日行った同じ屋台に行ってまた夕食。とにかく働いてるあんちゃんたちが全員イケメンたちで、牛かあさんが気に入ってしまった。肉と魚と野菜と草をライス・ペーパーに巻いてたらふく食う。唯が要の膨らました風船をTシャツの中に入れて「ベイビー、ベイビー」とか言って、そこらへんの観光客にうけまくっちゃてたり、写真に撮られちゃったりしてる。あんた、なにもんなんだよ。帰りに要が欲しいというのでランプータンを買うのだがどこでどうなったのか大量のランプータン買う。このランプータンはその5日後要と一緒に成田まで帰ってくるほどだった。
 例のコンビニよってワインとビールを買い込み、この日は門限前にホテルに戻る。あした7時集合だしね、メコン・ツアー。しかし、夜中にワインが足りなくなりオレがまたコンビニまで行く羽目に。寝ないんだなあこれが。ワインぶら下げて帰ってくると例のホテルのあんちゃんが待っててくれた、あきれ顔で。「サンキュー、グッナイ。」


 3日目。朝6時起床。メコン・ツアーは7時半集合だ。でもとりあえず起きたのはオレだけ。みんなを起こさなくては。って鶴見にいる時と変わんないじゃん。ホテルの部屋のテレビになぜかNHK-BSが入るのでつける。もう鶴見じゃん。谷啓が映ってる、がちょ~ん。
 そしてファミリー徐々に起きだす。朝食は昨日コンビニで買った食パンとジュース。オレはポッカ缶コーヒー。これってトラベラーじゃないよね。でもこのベトナム食パンうめ~よ。みんなで1斤食う。そろそろ仕度できたかな?ってころに牛かあさんがシャワー。出たよ。今入んなくたっていいじゃん。いつもこれだ。これでまたぎりぎりになる。「行くよってば。」
  幸い集合場所はホテルから目と鼻の先。間に合っちゃうんだな。いますよ~みなさん。ナニジン達なんだろ?これからこの人たちと1日道連れなんだな。みょうにはしゃぐような奴とかいない。みんな微妙な距離感を楽しんでる。バスに乗り込むと市内をぐるぐる回る。どうやら集合場所が何箇所かあるんだな。そのたびに待つ。そこにもういて待ってろよと思うのは日本人だけらしい。まあここじゃ時計なんてあってないようなものだ。でも最後の集合場所で一番みんなを待たしたのも日本人カップルでした。そんなもんだ。
  一行がメコン川ほとりのミトーって町を目指します。水戸じゃないよ。納豆食ってど~すんだよ。うまいけど。一行だいたい総勢20人くらいか?うちわけは、まずオレ達いかにも見るからに変な家族構成の日本人一家。その後には和気あいあいな中国人ファミリー。早くもそこのガキに要がちょっかい出してる、風船で。オレ達の隣にはアメリカかカナダから来たっぽいちょっと年いったカップル。でも夫婦じゃない感じ。訳あり感満載。その後には陽気なフレンチ・ファミリー。そしてヨーロッパ、たぷんスペインから来たっぽいキャピキャピ・ギャルズ。その後に最後に乗り込んできたダブル・イン・カム・ノー・キッズな日本人若夫婦。その隣は映画に出てきそうな美男美女のドイツ人ラブラブ中な2人。そして国籍不明な地味なカップル。あとは忘れた。でもそんな感じ。
 もうバスは早くホーチミンを抜け出したいんだが、例のバイクの群れが行く手を阻む。阻むぞ~こいつら。そんなアンドン市場の近所で牛かあさんがスーパーを見つけちゃう。「なんだスーパーあんじゃん。あとで行こうよ。」とか言う。CO-OPついに牛かあさんに発見されてしまう。あとで行くらしい。わりとホテルからもそんなに遠くない。
  バスがバイクを蹴散らして市内を抜け出すと国道1号だ。いっきに広がる田園風景。牛がそこらじゅうに。道とか歩いてる。バイクの次は牛かよ。そしてミトーまでは約2時間。ガイドの男の人がベトナムの歴史とか話してくれる。アメリカン・ジョークを交えて。この人がなかなか芸達者なんだなあ。要の去年までの担任の前園先生にうりふたつ。オレ達に前園とか呼ばれる。「前園何言ってっかわかんね~んだよ~。」とか唯に言われる。でも30分もすると前園の英語にもなれてくるから不思議だ。欧米人の本格的な英語よりも聞きやすいかも。あ、前園は当然ベトナムの人。ベトナムはフランスの植民地だったくだりはみんなふんふんて感じで聞いていたんだけど、アメリカがやってきた下りでアメリカ人が露骨に嫌そうな顔したんで話をはしょる前園。やっぱ、アメリカ人にはベトナム戦争は汚点なのか?じゃ、来るなよ。とか思うがまあ今のベトナムは活気があって素晴らしいからね。しかしホーチミンから結構離れたところに千葉ニュータウンみたいな新しい町がにょきにょきと建ち始めてる。バブルがやってくるのか?日本やアメリカの失敗を学習してもらいたいもんだ。
 そうこうしてるとバスが止まった。休憩タイムらしい。国道のわきのサービス・エリアと呼ぶにはほど遠い休憩所にはトイレとカフェとハンモックがあった。オレはホット・コーヒー。ベトナムのコーヒーうまいんだが、ここで飲んだコーヒーが1番うまかった。インスタントなんだけど何がちがうんだろう?牛かあさんはビール。子供達はハンモック占領してる。中国人の子供も遊びたそうなのに。あけてやれよ。もう要はぐるぐる回っちゃってる。ブランコじゃないんだから。迷惑なやつら。
  そしてそこを後にしてミトーまで。メコン、デカイ。サイゴン川の3倍はある。そこからはフェリー・ボート。ボートに乗り込む前に前園が帽子があったほうがいいと言われたので牛かあさんが子供達用に帽子2個買う。これがサイズもデザインもあったもんじゃないって代物。お子達いい迷惑。赤道の近所行くんだから家から帽子くらい持ってこいよって話だが、ピクニック・ファミリーには通用しない。
 ボートはメコンを進む。泥の河だ。巨大な三角州の中洲ひとつひとつが島の様にデカイ。じっさいひとつひとつに島の名前がついてる。ミトーから1番遠い島に着くとボートは大河を右折してボートがやっと通れるくらいの支流へと入っていく。マングローブの林。もう「地獄の黙示録」みたいだ。かっちょえ~。川の両岸に地元の子供が手を振ったりして立ってる。「シンチャオ~」とか叫ぶ。前園がそう言えと。こんちわ~、らしい。
  船着場に着き下船。要が前園独占してる。おぶられたりとして。きみきみ、似てるけどその人前園先生じゃないからね。しばらくあるいてお茶屋みたいなとこで、お茶とフルーツいただく。フォーク・ソング聞きながら。土着な楽器とおいしいお茶。唯がピッコロみたいな笛をお土産屋でゲット。そのあとずっと一行の先頭で笛ふいてた。そこに続く多国籍軍。ハメルンの笛吹きか。
 そして次の場所への移動は馬車。馬、ヒト6人乗せた馬車を引っ張る。オレ達の馬車遅い。馬リボンつけてたから女の子なのか。どんどん抜かれる。馬、一生懸命走るんだな。馬、お疲れ。
 次の出しものは蛇。パイソンが檻から出される。2メートルはあろうか。前園がパイソン持っちゃてる。おとなしい大蛇。ここは恋人にいいとこ見せないとイケメン・ドイツ人くんがビビリながらもパイソン首に巻く。一同歓声。彼女が写真撮ろうとするんだけどデジカメの使いかたが今ひとつわからないらしい。でも彼、紳士だからやさしく教えてあげてんだけど首には蛇が。近づくと彼女が逃げるし、コントかっ。「さ~、次はだれ~?」前園が盛り上げるけど、みなさん躊躇しまくり。ここはオレ行くでしょう。オレが首に巻く。「ゲッ、重いんですけど。マジっすか。」ユイカナ大喜び。かあさん写真撮る。こんどは要が巻く。ちょっと自慢げ。唯も一緒に巻きなよ、っていったけど唯ビビる。でも普段要に偉そうなことばっかり言ってる手前、巻かないわけにはいかない。意をけっして唯と要とパイソンの3ショット無事撮影。ここで蛇ちょっと元気になっちゃう。口から舌がピロピロ~って出ちゃうんだな。唯さらにビビる。他の一行も子供がしょったんだからって次から次にパイソン取り合いになっておかしかった。けど結局牛かあさんは巻かずじまいでした。前園が一人終わるとまた蛇はずして持つ係りだったのに、スペイン・ギャルのあたりでどっか行ってしまい、あわれうら若きギャルは蛇巻いたまましばらく放置される。「なんとかしてよ~。」ってたぶんラテン語で叫ぶも、みんな腹抱えて笑ってる。前園帰ってきて、あやまることしきり。おっかしいなあ蛇。
 そして今度はカヌーだ。4人乗りカヌーなので1艘は我が家貸し切り。にわかに6カ国対抗カヌー・レースの様相を化す。必死にこぐ各艇。オレ達はポール・ポジション・スタートだったのに要が逆にしか漕げないんだなぁ。進まないだよ。またどんどん抜かれる。牛かあさんとバトン・タッチ。なんとかゴール。そこにはさっき乗ってたフェリー・ボートが待ってる。さすがうまく出来てんね。ボートがちょっと出かかったときに前園が船頭に引き返せと言う。まだフレンチ・ファミリー乗せてねえよ。そこにフレンチ・ファミリー・カヌー到着、「お~い、置いてかないでくれ~。」ってたぶんフランス語で叫んでる。一同爆笑。無事一向次の目的地へ。前園が、福沢アナみたいに「腹へったか~!」って叫ぶ。英語で。一同ウルトラ・クイズみたいに、「オ~!。」って英語で。ってオ~は英語なのか?「次は、ブランチだぜ~。」前園盛り上げる。もう2時過ぎてるし、腹へりへり。
 そして次の目的地に向かうボートから前園がまた発見する、「河に白いサンダル流れてるけど、誰かのじゃないか?」ドイツのイケメンくんが「オレのサンダルが片方ない。」ってたぶんドイツ語で言う。引き返すフェリー・ボート。しかしなんで裸足なんだよ。石田純一だって靴下はいてないけど靴ははいてるっちゅ~ねん。笑うなぁ、ボートとサンダルの追いかけっこ。そしてボートがサンダルに追いつく。するとJRの駅みたいに小さいロッカーみたいのパカッてあけるとそこから結構柄の長い網が出てきた。これですくって一件落着。沸き起こる歓声。ガッツ・ポーズとるジャーマンあんちゃん。バラックか!しかしみんな色んなもの落とすんだろうな。じゃなきゃあんな網が常備されてるわけない。落ちたのが要じゃなくてよかったね。
 そしていざブランチへ。船着場で他のツアー一行の乗ったボートにぶつけて面白がる船頭&前園。そのツアーがよく見ると、全員日本人だったのね。あれか?日本語ガイドつきツアー。前の日あっちにしようとか言ったことを反省する。牛かあさんが正解でした。だってあれじゃ農協の団体さんだ。牛かあさん、ごめんね。この多国籍軍の方がはるかに楽しそうだよ。
 また、下船した多国籍軍は唯の笛につられてブランチ会場へ。ここでテーブル日本人同士に初めてなる。どこから来たんですか?言葉が通じた。って当たり前だろ。「横浜です。」「え、うちも横浜です。」なんたる偶然じゃろか。しかも聞けば牛かあさんが勤めてる小学校の近所と来たもんだ。話題はあのホーチミン名物バイクの河「あの、交差点とか渡れます?」「うちは慣れました。」「すご~い。」とか言われる。ほんとにあのバイクの量は衝撃ですよ。だって日本人同士が偶然ばったり合ってまずこの会話なんだからね。お待ちかねのブランチは焼きそばだった。さんざん待たせて腹すかせれば文句言わずになんでも食うだろう作戦かと思った。だってインスタントなんだもん。でもあとでつばなちゃんに教えてもらったんだけど、ベトナムの焼きそばはみんなインスタントなんだって。しかもこればバカうま。漢字で書くと馬鹿馬。馬2頭分のおいしさ。おばちゃんが籠に入った缶ジュースやら缶ビールやらを持って「飲み物何にします?」ってたぶんベトナム語で言うから、パパママはビール、唯が7アップ。要がダイエット・コーラをやめてデブになる方のコーラ。「ダイエット・コーラまずいんだよね。」とか言ってるし。あ~、さいざんすか。ところがこの飲み物は金取られる。やるな~社会主義国。てっきりコースに入ってんのかと思うじゃん。最初に言えよ、おばちゃん。べつにちゃんとはらうけどさ。
 そしてここでちょっと休憩してこんどはココナッツ・キャンディ工場。ウチの近所の森永の工場みたいの想像してたオレも悪いんだが、これがせこい工場。家内制手工場か!可笑しい。ものすごくベトナムっぽい。
  つーか、このままだとこの日記終わんないよ。そいで楽しいメコン・ツアーも全行程終了。あとは、ミトーに船で戻ってバスで帰るだけだ。あ~面白かった。


  そしてホテルつく頃はもう薄暗くなってた。フツーなら後はもうのんびりじゃないの?ところが、まだまだ3日目終わんないんだなあ。終わんないぞこの日記も。どんだけ長いんだよ1日。「あとでつばなちゃん9時ごろ来るからお昼寝しときな。」とお子達をホテルに残してオレと牛かあさんはすぐさま外に向かうのだった。目指すはスーパ-。目指すなあ、ちょっとは休めよ。鮫かっ!
  で、もう棒状の足引きずってスーパーへ。ファングーラオの通りのはずれのアンドンっていう市場を通り過ぎて五差路みたいな複雑な交差点をものすごく複雑に渡りきると朝バスから見たスーパーがあった。中に入ってまた驚く。調味料とか乾物とかがデカイ。1リットルのペットボトル入りヌクマムとか。一番笑ったのが5キロ入り味の素。お前らどんだけ味の素使うんだよ。「ひとめぼれ」か!米じゃないんだから。そこにでっかく「味の素」って日本語で書いてあんだよ。おなか痛いって。写真撮りたかったなあ。スーパーにあんまりデジカメ持って行かないもんなあ。コーヒーぜひ買いたいと思ってたんだけどネスカフェなんだよ売ってんの。これがベトナム式コーヒーなのかなあ?見た目は日本で売ってるネスカフェと変わんないし、ということでパス。ヌクマムやらお菓子やら洗濯バサミやらタイガーバームやらブラジャーやら買う。いかれてんね、ほんとに観光客なのか?
 つばなちゃん来る前に帰んなくちゃってことでスーパーの袋ぶら下げて歩いてると、さすがに物乞いとかお花買ってくださいみたいのが近づいてこない。途中で昨日から気になってたフランスパンのサンドイッチみたいの売ってるおばちゃんの屋台があって、「あれうまそうだよね、いっちゃう?」みたいなアイ・コンタクトが成立。そして向かう。なんなんだろ、これ?「ふたつ、ちょ~だい。」テレパシーで言うと、「中身どれにするんだい?」みたいなベトナム語。「ん~、これとこれ。」おばちゃんが手際いいんだな。これが信頼関係を呼ぶ。まず始めにパンにコンビーフ色したレバー・ペーストみたいなの塗るんだけど、これが肝なんだなきっと。なんだかわかんないんだけどこれがマヨネーズと合わさって、異国な味をかもし出す。うまいんだってば。あとで本で見たら載ってた。バイン・ミー・ティットって言うらしい。くせになるなこれは。
 ホテルに戻るとお子達は案の定寝てなんかいなかった。ふたつのベッドと風船を使った新ゲームを編み出し、ルールはすでに成熟していた。部屋はぐっちゃぐっちゃだけど。やがてつばなちゃんが現れる。「何、食べたい?」って言うのでオレは、フォーじゃなくてラーメンが食べたいと言うと、「ウチの近所においしいラーメンの屋台あるよ、こっからだと20分くらい歩くけど。」とか言われる。「平気、平気、そこ行こうぜ。」ということになったのだが、実際は50分くらい歩いた。足、丸太化。しかしこのミーっていう麺がうまいよ。オレは米麺のフォーより麦麺のこっちの方がすきだ。西山製麺のちぢれ麺をばりかたに茹でたみたいな麺。スープはフォーのスープ。これいいじゃん、これこれ。子供達は昼寝パスしたせいでここで気絶。ここでつばなちゃんにおやすみなさいしてタクシーでホテルに漂着。
  超長い3日目終了。オレは部屋でワイン。ホーチミン最後の夜に一人淋しく2本飲んだ。なにするでなく。ただただ、おいしいおいしいと。そして翌朝オレは11時の飛行機で日本に向かうべく、朝8時に家族とお別れしてタクシーを拾うんだった。あ~なんで明日ライブなんて入れちゃったんだろうとか思いながら。子供はいっこうに起きる気配を見せなかったのでそのままお別れだ。牛かあさんが表の通りまでお見送りに来てくれた。つばなちゃんが教えてくれた優良タクシー会社の山のマークを見つけんのにちょっと手間取ったが、無事拾えて牛かあさんにしばしのお別れを告げる。オレはひとりで日本まで辿り着けんだろうか?気分ははじめてのお使いだ。


  と、ここで日記は終わりなんだけど、その3日後ファミリーが成田に帰ってきた。後日談を聞かされて1番驚いたのは、オレが帰った日から牛かあさんがレンタ・バイクを手に入れてつばなちゃん、唯、要と4人乗りでホーチミンの悪路を走り回ってたってこと。やるなあ。その日の夜、バイクでホテルに帰ってフロントにバイクの鍵預けた時に例のアンちゃんは目を丸くしたらしい。またホーチミンに行きたいもんだ。牛かあさんは、もうベトナムなら住めると申してました。               おわり。
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kossy

一色さん一家の “ブラボォ~!ベトナム旅行記” 
すっかり珍道中?に引き込まれ、「首には蛇マフラー」 「多摩川見ればカヌー」 「バイン・ミー・ティットと麦麺ミーは何処で食べられるのか!」 etc・・・ ベトナムムード、“馬鹿馬”に盛り上がっていま~す。 次回はどちらへ・・・[飛行機]
by kossy (2008-05-09 20:16) 

いっちゃん、

次回は、成都にパンダ見に行く予定ですよ。
夏休みか?
by いっちゃん、 (2008-05-11 21:26) 

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